震災の現状と対応
1.概要
(1)3月11日14時46分頃、三陸沖でマグニチュード9.0の大地震が発生。最大で7mを超える津波が東北地方の太平洋岸の市町村を襲い、甚大な人的・物的な被害が発生。東京も震度5強の揺れを観測したが、被害は比較的軽微。現在も東北地方を中心に余震が続いている。
(2)政府は、直ちに菅総理大臣を長とする緊急災害対策本部を立ち上げ、すべての政府機関を動員し、地方自治体等と協力しつつ、被災者の捜索・救助やライフラインの復旧等に全力で当たっている。
(3)世界各国からお見舞いと支援の申し出があり、15日までに14カ国・地域からの緊急援助隊及び国連災害評価調整(UNDAC)チームが日本に到着・活動、または既に日本に向かっている。また、在日米軍が支援に当たっている。
(4)今回の地震と津波により、福島県にある東京電力の原子力発電所で原子炉冷却システムの不具合等による緊急事態が生じたため、対応措置がとられている。
(5)外務省では、外国からの緊急支援等の受け入れの調整、外交団、外国報道機関への連絡、外国人の安否確認等を実施している。
2.被害状況
(1)地震と津波により東北地方を中心に甚大な被害が発生(そのほか関東地方等でも被害あり)。死者・負傷者の合計が約4,300名、行方不明者については集約が困難なほどの状況となっている他、孤立者11,000名以上、避難者約420,000名(3月15日午前9時現在:警察庁)。
(2)東北地方を中心に、電気、ガス、水道等のライフライン、道路、鉄道、空港等も大きな被害を受け、広い範囲で停電、ガス供給停止、断水が生じている他、交通機関も麻痺状態にある。
3.世界各国からのお見舞い
(1)世界各国の政府や人々からお見舞いと連帯の表明が多数寄せられている。
(2)総理は、オバマ米国大統領、李明博韓国大統領、メドヴェージェフ・ロシア大統領、ギラード豪州首相と電話会談を行った。松本外務大臣もラヴロフ・ロシア外相と会談、ヘーグ英外相と懇談、クリントン米国務長官、ラッド豪外相、マッカリー・ニュージーランド外相と電話会談を行った。
4.外国からの緊急支援
(1)これまでに102カ国・地域及び14国際機関から支援の申し出があった。
(2)15日朝までに13カ国・地域(米国、韓国、シンガポール、ドイツ、スイス、メキシコ、中国、ニュージーランド、豪州、英国、フランス、台湾、ロシア)からの緊急援助隊及び国連災害評価調整(UNDAC)チームが日本に到着・活動、または既に日本に向かっている。
(3)在日米軍は、空母「ロナルド・レーガン」等の艦船を東北地方沖合に派遣し、支援に当たっている他、各国援助チームの横田飛行場や三沢飛行場への受入れ支援等を行っている。
5.在日外国人の安否確認
(1)在京外交団や国際機関の関係者は無事であり、仙台市にある韓国総領事館(東北4県にある唯一の外国公館)も館員の無事を確認済み。
(2)JICAの研修生や外務省・国際交流基金の事業で来日中の外国人の安全は確認済み。
(3)東北地方にいる外国人の安否は、関係省庁・団体、在京各国大使館や旅行会社等と連携して情報収集中。
(4)日本赤十字と赤十字国際委員会(ICRC)が日本在住の外国人を主な対象とする安否確認サイトを立ち上げている。
6.原子力発電所の安全確保
(1)地震・津波発生後、宮城県,福島県及び茨城県に存在する3カ所の原子力発電所のうち運転中であった計11基の原子炉には、直ちに制御棒が挿入され、自動的に発電が停止した。
(2)他方、福島県にある東京電力福島第一及び第二原子力発電所において、原子力緊急事態宣言が発令され、周辺住民の避難、緊急対応等が行われている。また,福島第一原子力発電所1号機においては,12日15時36分頃、水素爆発が発生したが、原子炉格納容器の健全性は維持されているものと考えられる。
(3)14日11時01分、同発電所3号機においても、水素爆発が発生し、原子炉格納容器の圧力が変動したことが確認されたが、その後安定しつつあり、原子炉格納容器の機能は維持されているものと考えられる。また、同発電所第2号機においても、同日、原子炉の冷却装置が停止し、炉内水位の低下に対応するため,海水の注入準備が進められている。
(4)こうした状況については在京外交団、外国メディア等に説明するとともに、国際原子力機関(IAEA)に対し、右状況を含め、継続的に通報してきている。
· 最新状況(3月15日午前9時現在:警察庁)
死者
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2,414名
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負傷者
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1,889名
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行方不明者
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集約困難
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平成23年3月15日20時00分現在で157の国・地域からお見舞いが届けられています。
個別の会談
· G8外相会合(14日ワーキング・ディナーの概要)(平成23年3月15日)
· G8外相会合の際の日露外相会談(概要)(平成23年3月15日)
· G8外相会合の際の松本外務大臣とヘーグ英外相との懇談(平成23年3月15日)
· 日露首脳電話会談(平成23年3月14日)
· 日ニュージーランド電話首脳会談(平成23年3月14日)
· 日豪電話首脳会談(平成23年3月13日)
· 日韓首脳電話会談(平成23年3月13日)
· 日ニュージーランド電話外相会談(平成23年3月13日)
· オバマ大統領との電話会談(平成23年3月12日)
· 日豪電話外相会談(平成23年3月12日)
· 伴野豊外務副大臣と程永華在京中国大使及び在日中国人団体関係者との会見(平成23年3月12日)
· 日米電話外相会談(平成23年3月12日)
· 日英外相電話会談(平成23年3月12日)
1.緊急援助隊等による支援
o 東北地方太平洋沖地震に関するモンゴルからの緊急援助隊の受入れ
o 国連災害評価調整(UNDAC)チームの到着
o ロシアの救助隊の受入れ
o 豪州及びニュージーランドの救助隊の受入れ
o 韓国からの追加支援チームの受入れ
o メキシコの救助チームの受入れ
o 英国及びフランスのレスキューチームの受入れ
o 米国国際開発庁のレスキューチームの受入れ
o 中国からの緊急援助隊の受入れ
o ドイツ及びスイスのレスキューチームの受入れ
o シンガポールのレスキューチームの受入れ
o 韓国の救助犬チームの受入れ
o 伴野豊外務副大臣と程永華在京中国大使及び在日中国人団体関係者との会見について
2.緊急物資・資金等の支援
· 東北地方太平洋沖地震に関する中国からの緊急援助物資の受け入れ
· 伴野豊外務副大臣と程永華在京中国大使及び在日中国人団体関係者との会見について
3.在日米軍による支援
4.支援表明国・地域(15日 5時00分現在)
以下102の国・地域及び14つの国際機関から支援の申し入れがありました(順不同)。
(アジア)
インド,インドネシア,カンボジア,シンガポール,スリランカ,タイ,韓国,中国,ネパール,パキスタン,バングラデシュ,東ティモール,フィリピン,ブータン,ベトナム,マレーシア,モルディブ,モンゴル,ラオス
(アジア(地域等))
台湾,香港,ASEAN
(大洋州)
オーストラリア,ニュージーランド
(北米)
米国,カナダ
(中南米)
アルゼンチン,ウルグアイ,エクアドル,エルサルバドル,キューバ,コロンビア,スリナム,チリ,ニカラグア,パナマ,パラグアイ,ブラジル,ベネズエラ,ペルー,ボリビア,ホンジュラス,メキシコ
(欧州)
アイスランド,アイルランド,アゼルバイジャン,アルメニア,イタリア,ウクライナ,ウズベキスタン, 英国,エストニア,オーストリア,オランダ,カザフスタン,キプロス,ギリシャ,キルギス,グルジア,クロアチア,コソボ,スイス,スウェーデン,スペイン,スロバキア,スロベニア,セルビア,タジキスタン,チェコ,デンマーク,ドイツ,トルクメニスタン,ノルウェー,ハンガリー,フィンランド,フランス,ブルガリア,ベルギー,ポーランド,ポルトガル, マケドニア, ラトビア,リトアニア,ルーマニア,ルクセンブルク,ロシア,EU
(中東)
アフガニスタン,アラブ首長国連邦,イスラエル,イラク,イラン,オマーン,カタール,クウェート,トルコ,パレスチナ,ヨルダン
(アフリカ)
ガボン,ジブチ,チュニジア,南アフリカ,モロッコ, ルワンダ
(国際機関)(アルファベット順)
アジア開発銀行(ADB), 東南アジア諸国連合(ASEAN), 黒海経済協力機構(BSEC), 欧州連合(EU), 国際原子力機関(IAEA),赤十字国際委員会(ICRC),国際移住機関(IOM),国際電気通信連合(ITU), 国連人道問題調整部(OCHA),国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連教育科学文化機関(UNESCO), 国連児童基金(UNICEF),世界銀行, 国連世界食糧計画(WFP)
(この内容は外務省より3/15夜、提供されたものです。)
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